日本は生産性が先進国の中で圧倒的に低いと言われています。
2016年の世界銀行の調査によると、労働者一人当たりの生産性は世界で第29位。第32位のギリシャをわずかに3.5%上回る程度だそうです。
生産性は以下の式で表せます。
生産性=アウトプット(付加価値、成果)÷インプット(投入した資源)
インプット(投入した資源)の中には労働力(労働時間)も含まれますので、もし他の条件が同じだとすると、労働時間が短ければ短いほど生産性は良くなります。
日本は生産性が低いということですから、長時間働いても成果が出にくい、まさに骨折り損のくたびれもうけ、の状態にあると言えます。
それでは、日本はなぜこんなに生産性が低いのにも関わらず、世界第3位の経済大国でいられるのでしょうか?
その答えは単純で、人口が多いからです。
人口が1億人を超えている国は世界に13カ国しかありません。(ちなみに国連加盟国は193カ国です)。先進国の中で1億人以上の人口がいるのは、アメリカと日本の2カ国しかありません。
このようにみてくると、現在の日本の構図が明確になってきます。極めて低い生産性を長時間労働と労働者の人数で補っているということですので、日本の労働者が疲弊するのも無理はありません。しかも今後は確実に人口減少社会が待っているわけですから、このままでは日本は経済大国としての地位から転落することは明らかです。
政府がしきりに働き方改革(生産性を上げろ!)や1億総活躍社会(高齢者も女性も労働者として働いてもらって労働人口を増やせ!)を叫んでいるのもこうした背景があってのことなのです。
次回に続きます。